ステライト 複合ワイヤ(FCW)
KENNAMETAL STELLITE社(ケナメタルステライト社)ではロッド、被覆棒、パウダーと共に複合ワイヤ(フラックスコアードワイヤ)としてもステライト合金を標準品として製造しています。同社は100年以上にも渡るステライト合金の製造技術を生かし、世界で最初にステライト合金の複合ワイヤの製造に成功しました。複合ワイヤで最も重要なのは、シース(外側チューブ)に使用される極薄コバルト板ですが、ケナメタル社では、高純度、高品質の極薄コバルト板を使用しており、複合ワイヤの最高品質を保証します。
サブマージアーク溶接及びMIG溶接でステライトFCWワイヤを使用することにより、手盛りの場合と比較して5倍以上の効率化を図ることが出来ます。サブマージアークでの肉盛は主にロール、大型バルブ、ミキサーケーシング等、大型でシンプルな形状へ肉盛する場合に適しています。MIG肉盛溶接は一般に複雑な形状のものや、小型の母材への肉盛りに適しています。
従来TIGやガス盛で行っていたワークをステライトワイヤで半自動化、自動化するケースも多くなっています。また最近ではレーザークラッド(レーザー肉盛、レーザーメタルでポジション)でステライト1.2mmや1.6mmを使用したり、アーク溶接を利用した金属3Dプリンターでの金属積層造形にも使用されています。
| ワイヤ径 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 1.22mm | 1.6mm | 2.4mm | 3.2mm | |
| Stellite 1 | ◎ | ◎ | ◎ | |
| Stellite 6 | ◎ | ◎ | ◎/○ | ○ | 
| Stellite 12 | ◎ | ◎ | ◎/○ | ○ | 
| Stellite 21 | ◎ | ◎ | ◎/○ | ○ | 
| Stellite 306 | ◎ | ◎/○ | ○ | |
◎=MIG用ワイヤ
            ○=サブマージアークワイヤ

MIG溶接条件
1.2mm
| Transfer Type | Amps(A) | Volt(V) | Wire Speed (M/min)  | 
              
|---|---|---|---|
| 50Hz pulse | 110-250 | 22-28 | 3.5-8.0 | 
| Spray | 200-300 | 27-30 | |
| Dip | 110-200 | 17-20 | 3.3-5.8 | 
1.6mm
| Transfer Type | Amps(A) | Volt(V) | Wire Speed (M/min)  | 
              
|---|---|---|---|
| 50Hz pulse | 150-200 | 23-27 | 2.8-4.7 | 
| Spray | 250-350 | 27-30 | 4.5-6.3 | 
| Dip | 150-200 | 17-20 | 2.5-3.7 | 
シールドガス…純アルゴン もしくはアルゴン+1%酸素
"ステライト®"はケナメタルステライトグループの登録商標です。
      "Stellite®" is registered trademarks of KENNAMETAL Stellite Group.
- ケナメタルステライト社
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